所用があって新年
10年ぶりに
尾道を訪れた。
尾道は 私のお気に入りの町である。
10年前に訪れた時の尾道の変化は
激しいものがあって
その変りようには 怒りさえ覚えるものであったが、
今回の尾道は、確かに変化をして いつつも
あの頃の落胆は心の中に静まっていた。
町の商店街の入り口に佇む
林芙美子の像
放浪記で有名なあの作家の 感動が脳裏に浮かぶ。
つい最近 故あって この放浪記の芝居を鑑賞した。
仲間由紀恵が 森光子を継承した演劇で、
たいへん良く出来ているお芝居であることに
感動をしたのである。
さすがに1500回以上の講演を繰り返しただけの名作である。
それは やはり 生の芝居をこの目で確かめてこそ
正確に心に落とせるものなんだと思う・・・。
暖冬の正月の尾道は 小雨模様でこれもまた
しっとりと落ち着いていた。
今回、尾道の駅前は、10年前の時とは殆ど変化はないのだが、
それ以前の町の風景は、言葉では言い表せない味があった。
町の人にとっては 大きなお世話なのかも知れない。
旅人特有の美しさの感覚は身勝手な感想と言うもの、なのだろう。
おそらく、 尾道は 常に変化していて
もっと もっと 前は また違う美しさを表現していたはずなのだ。
アーケードのある商店街から見る路地